崖っぷちの男

たぶん技術っぽいネタ。ブログ名が決められない

目に見えないものを作るということ

 うちの会社では月1回ある朝礼があって、そこでのスピーチの順番が回ってきて以前スピーチをしたんですが、その時に言っていなかった話を書きます。

 自分は高校生ぐらいの頃、これから自分が何をして生きていこうかと考えたとき、パソコンで何かを作って生きていこうと決めました。ただ、それを決めたとき、あることが頭にひっかかっていました。それは、パソコンの中で作ったものはパソコンの中でしか見ることができない、ということでした。

 自分が子供の頃はパソコンがまだ普及しておらず、うちによく友達が来て今から考えればかなりクオリティの低いCD-ROMコンテンツで一緒に遊んでいました。その頃からゲームを作ってみたり、音楽を作ってみたりしていましたが、こういったものは自分の家に来てもらわなければ見てもらうことができませんでした。

 そういったこともあって、機械とかそういうものを作れば誰にでも見て(触って)もらえるのに、パソコンで作ったものは見てもらえる人が限られてしまうなあ、と割と真面目に考えていました。

 でもその時、やっぱり物体でないからこそ、材料費がかからない上、加工もいくらでもできるから、デジタルデータは無限の可能性があるんだ、とこれもまた割と真面目に考えて、最初に書いたような結論に達しました。

 この時はその程度のことしか考えていなかったのですが、今考えてみればデジタルなものというのはネットワークやメディアによって簡単に移動できる上、インターネットが一気に普及して世界中の人に作ったものを見てもらえるようになりました。写真なんかは最近は誰もが Facebook や Web アルバムを通じて他の人に見せるようになっていると思います。

 そしてだからこそスマホの意義があるんだなあ、とこのことから改めて思いました。ここ数年でスマホはほとんどパソコンと言ってもいいようなものになりました。そういえばうちの会社で個人 PC の使用が NG になりましたが、じゃあ iPhoneAndroidiPad はどうなるの ? といつも思います。機能でいえばいずれも個人 PC といってしまってもいい気がします。

 昔は近所で自分の家ぐらいにしかなかったものが、今や誰もが持ち歩く時代になりました。パソコンが一般の人の手の中にまで入りこんできたということは、デジタルデータの生きる場所がさらに増えたということです。そしてこれからも、デジタルなものはどんどん人間のまわりに侵食してくるだろうと思います。だからこそ、自分はこれからもその世界で何かを作っていきたいなあ、と思っています。