『About Face 3』の Part 1 読書中
気付けばまた前の日記から1ヶ月以上経ってしまいました。以前の日記で強制的に日記を書かせるスクリプトを作ったりしてたんですが、それでも全然書きませんでした(笑)。
最初は備忘録的な日記にする、って一応宣言はしてたんですが、「ネット上のノイズを自分で増やしたくないし、やっぱりある程度まとまった情報を書いていきたいな」とも思ってしまってなかなか書けませんでした。
でも考えたら固定の読者とかいないだろうからそんなことを気にしても仕方ないし、アウトプットの練習のためにももっと書いてみないと、ということで質より量でやってみます。
で本題ですが最近読んでいる本がこれです。
- 作者: Alan Cooper,Robert Reimann,David Cronin,長尾高弘
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2008/07/22
- メディア: 大型本
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今やっている仕事で結構、画面のデザインをやっていたんですが、そもそもどうデザインすればいいのか分からない状態でやっていていました。デザイン自体はもう終えてしまったんですが、今後もこういうことをやる時に何か手がかりが欲しい、ということでどこかで目にしたこの本を読んでみることにしました。
ファーストインプレッション
詳細は dankogai さんの書評 (404 Blog Not Found:UI/UXのバイブル - 書評 - About Face 3) を読んでいただくとして、自分の感想を書きます。ちなみに dankogai さんは「この本は UI / ユーザーエクスペリエンスのバイブルだ」とおっしゃっています。
で自分の感想はまず「分厚い」。あと「高い」。575ページの6500円です。
構成は全部で Part 1 から 3 まであって、その中に Chapter があるんですが、目次を見た感じ、最初は原則や概念的なところから始まって、最後の方では具体的に各 UI について見ていくみたいです。要は Part 1 はすごく大事なことが書いてあるんだけどつまらん、というよくあるパターンですね。
文章については読みやすいなと思います。翻訳もたまに何か直訳っぽいところがあった気がしますがそれでも読みやすいです。気になるのは人名を英語のままでいいのに全部カタカナにしてくれていて、逆にちょっと読みづらい…というところくらいです。
ゴールダイレクテッドデザイン
この本の薦めるデザインがこのゴールダイレクテッドデザインですが、要はユーザがゴールを達成できるようなデザインをしましょう、ということだと思います。たぶん。ユーザはアプリを使って何か目的を達成しようとしているはずで、それを達成するためのデザインにしましょうと。
自分の設計を振り返ってみると、「この機能のために」このデザインという感じで各機能にしか目がいっていなくて、「ユーザがそのソフトウェアを使うことによって何を達成するのか」について全然考えていなかったな…と思います。
実装モデルと脳内モデル
製品をとらえるときに、技術面を見たのが「実装モデル」、人がそれをどうとらえるかが「脳内モデル」みたいなことだと思います。で、できるだけ後者の「脳内モデル」に近いデザインをしましょう、ということが書いてあります。
例えとしては色をカラーコードで表示するのが実装モデルで、それを色として画面に表示するのが脳内モデルに近い形、だそうです。例えばカラーコードを入力させるより、カラーパレットから色を選択させる方が脳内モデルに近い、ってことになると思います。
そういう意味で最近の Mac のアドレス帳みたいに現実のアドレス帳っぽいデザインは脳内モデルに近づけるためのデザイン、とも思えるんですが、そこには問題がありますよということで次の節へ。
機械化時代の表現と情報化時代の表現
実際のアドレス帳をそのままアプリのデザインにするのは機械化時代の表現にとらわれているそうで、情報化時代の表現はもっと他のやり方ができる、みたいなことが書いてあります。
例としてカレンダーが出てきて、カレンダーアプリは大抵月だったら月毎にしか見られないけど、Outlook みたいに全部の月を縦につなげてスクロールできるようにしたっていいよね、ということが書いてあります。紙面に限りがあるからこそ紙のカレンダーは月毎になっているけど、そのままそのデザインにするんじゃなくてちゃんと考えましょう、ということだと思います。実際、月というか時間はずっとつながっている訳だし。
永遠の中級者
デザインをするなら中級者向けにデザインしろとのこと。初心者はいずれ中級者になり(しかも割と早く)、中級者から上級者になる人はそんなに多くないため、中級者をターゲットにするのがよいそうです。
ペルソナ
ペルソナァーッ! ペルソナというとなんか某ゲームの印象が強いんですが…。デザインをするために、実際のユーザや潜在ユーザにインタビューしたりして情報を集め、仮の人物 (ペルソナ) を作るのがいい、と書いてあります。インタビューの結果からそれぞれの人の共通点を見つけ、何パターンかのペルソナを用意して、そのペルソナがゴールを達成できるようにデザインしていく、ということです。この辺具体的にどうするのかはこれから読みます。
まあ正直インタビューとかむずかしいなと思いますが、それでも仮のペルソナを用意するだけでもやらないよりいいと書いてあります。確かに、実際のユーザが自分のデザインを使っているのを想像してみる、というのは役に立ちそうな気がします。自分も各機能を使ったらどうなるか (挙動) くらいは想像して確認したんですけど…機能にしか目がいってませんでした。
バカにすんな
なんかちょくちょく出てくる気がするんですが、ユーザはバカにされるのを嫌う、という話があります。著者もアプリにバカにされて腹が立った経験があるんでしょうか。初心者はすぐに中級者になる、という話も、ユーザはいつまでも初心者でいるのを恥ずかしく思うために、中級者を目指す、ということが書いてありました。
この視点はなかったかも。やたらと初心者向けに手取り足取りの機能をつけると初心者でもイヤな気分になるんでしょうか。
今日はここまで。結局長くなってしまった。。